2008年8月27日水曜日

生き生き地球館エコクラブへの紙芝居

8月23日(土)
コンソーシアム京都 京都外大インターン生 三回生 佐多一弘

大阪の鶴見緑地内にある生き生き地球館で、菜の花プロジェクトの活動がありました。菜の花プロジェクトは環境省のESD(持続可能な発展のための教育)の一環で、菜の花を育て、そこから採れた菜種油でBDFを精製し、車やバスの燃料に使います。そこで排出されたCO2は、菜の花を育てるときの光合成で回収します。このような循環を作り、地球に負担をかけないようにするというのが、菜の花プロジェクトの目的です。
西淀川はESDのモデル地域に選ばれ、あおぞら財団は菜の花プロジェクトを一人でも多くの人に知ってもらうために活動しています。

ESDについてはこちら

この日は西淀川高校の生徒たちが、生き生き地球館エコクラブのこども達に紙芝居で菜の花プロジェクトの説明をして、実際に廃油をBDFに変える装置を使って実演もしました。
エコクラブのみなさんも様々なエコ活動を行っており、菜の花プロジェクトはその一つです。菜の花を育て、採れた菜種油で天ぷらを揚げて食べたそうです。そのときの廃油を持ってきてもらいました。この日は他の皆さんにも廃油を持ってきてもらい、それを使ってBDF作りを実演しました。

生き生き地球館。


まず西淀川高校の生徒さんたちが、紙芝居で彼らの経験も踏まえて、菜の花プロジェクトの説明をしてくれました。

自己紹介から緊張していました。

紙芝居で説明をしてくれた古川さん。こどもたちの反応も良くて、楽しそうでした。

BDF精製機


説明が終わると、次は西淀川高校の辻先生がBDFを作る過程を説明してくれました。BDF作りはまず、一番左のタンクに廃油を注ぎます。次に水酸化ナトリウムとメタノールを混ぜた溶液を同じタンクに注ぎます。このとき、ゆっくり入れることがポイントです。
そしてスイッチを入れます。スイッチを入れると廃油と溶液がよく混ぜられ、メチルエステルとグリセリンに分離されます。メチルエステルは燃料の元になりますが、BDF精製にグリセリンは不要物となります。しかしこれも捨てるわけではありません。ちゃんと畑の肥料として使用します。
使用できるBDFを作るには2日ほどかかるので、この日はここまでの作業をエコクラブのみなさんとやりました。

「天ぷらおいしかった?」と尋ねる辻先生。

積極的に手を挙げて参加してくれたこどもたち。

エコクラブで作った菜種油の廃油を注いでいます。

薬品が飛ばないように手袋、サングラスを装備して慎重に混ぜています。

混ぜた溶液をタンクに注ぎます。こぼさないようにそっと…。

スイッチを誰が入れるかで、木村くんと王様じゃんけんです。

BDFはこのあと水と混ぜられます。油、水と油が分離されていない液体、水の3つに分かれます。油は水や他の不純物と比べて軽いので、上に浮かび上がります。このとき浮かびあがったのが、使用できる油です。これを繰り返して良質の燃料を精製します。

この日は最後まで出来なかったので、出来上がったBDFを使って発電機を動かしました。みんな見慣れない物なので興味津々でした。こどもは本当にいろんなことに好奇心が働くので、驚かされます。

発電機に集まるこどもたち。


発電した電気で何を動かすのかというと…


扇風機です!コンセントを入れ、羽が回った瞬間「おぉー!!」と歓声があがりました。みんなで育てた菜の花から採れた油から出来たBDFでもこうやって動くんですよ、という説明にみんな感心していました。天ぷらの臭いするかな?と言うこもいました。

BDFで発電した電気で扇風機が回りました!!

扇風機だけでは面白くないよね?ということで、今度はテレビをつけることにしました。

さぁつくかな?

つきました!!ここでも歓声があがりました!

BDFで発電した電気で、ビデオを見ました。「エコロ島」という環境のアニメを見ました。みんな最初はテレビじゃなくて「えぇー」と不満を言っていましたが、さすがこどもたち。見始めると画面に釘付けでした。
ビデオを見て、最後にみんなでちゃんと挨拶をして終わりました。

地球には自然のサイクルがある、地球にいいことをしていると感じることが大切だということを、学びました。

みんな良い勉強になりました!!

私の感想としては、こうやって環境活動は行われているのかぁと実感しました。今までこういった活動を聞いたことはあっても、見たことはなかったので実際に参加することができて、見ることができてよかったです。私自身学ぶ事、得るものが多々ありました。
こどもたちに考えさせる、考えてもらうことは本当に大切ですね。未来の担い手である彼らに環境のことを考える大切さを教え、環境のことを考えるクセ…といったら変ですが、習慣がつけば、きっと未来の地球は良くなるだろうなぁと思いました。そしてそんなこどもたちに伝えることができ、いろいろな人が出会える場を作ることは素敵なことだなぁとも思いました。私たち大人も負けていられませんね。

お疲れ様でした。

2008年8月20日水曜日

集めた廃油を業者にとりに来てもらいました

西淀川持続可能な交通市民会議(西淀川ESD)で、西淀川菜の花プロジェクトの一環として廃油回収をよびかけて2ヶ月がたち、ポリタンク1つ分の油があつまりました。そこで、油の回収業者にとりに来てもらいました。(8/7木)
集まった油は18ℓ。ガールスカウト26団のメンバーや、西淀川公害患者と家族の会の人たちが持ってきてくれました。
*ガールスカウト26団の廃油回収の様子はこちら 




回収した油はバイオディーゼル燃料(BDF)の原料としてリサイクルされます。軽油の代替燃料として使われ、車が動きます。
*回収業者、レボインターナショナルHPはこちら

2008年8月12日火曜日

西淀川高校での中学・高校・大学学習・交流会

西淀川では環境省のモデル地域として持続可能な開発のための教育(ESD)への取り組みを展開してきましたが、そこでめざしてきたのは人と人とが「つながる」ということ。
7月23日・8月4日の両日に西淀川高校で開催された「西淀川高校 菜の花プロジェクト」を学習する会(大阪市中学校教育研究会特別活動部主催)は、地域の中学生・高校生・大学生が菜の花プロジェクトを通して「つながる」、そのきっかけの場となりました。見学させていただいた内容を以下に簡単にご報告しておきます。

7月23日

淀中学校・梅南中学校・菫中学校から合計15名が参加し、西淀川高校エココミュニケーションクラブ・生徒会の面々とともに菜の花プロジェクトについて学びました。




まずは西淀川高校の辻先生から、西淀川の大気汚染と公害訴訟の歴史についての講義と、西淀川高校で実施されている環境の授業についての説明がありました。「ぜん息を患っている人はいますか?」という先生からの問いかけに対して参加者30名弱のうち4名が挙手。今でも大気汚染の問題はなくなっていません。



ついでDVDを視聴し、菜の花プロジェクトの意義を学習。菜種油や使用済みの天ぷら油から環境にやさしい燃料ができるというはなしには、みな関心を持って熱心に耳を傾けていました。また西淀川高校生徒会が新しく取り組みはじめたペットボトルのキャップ集めについて説明を受けました。通常は捨てられているキャップを400個集めると10円になるとのこと。800個でポリオワクチン1本を途上国におくることができるといいます。




休憩をはさんで校内を見学。BDF精製機や菜の花畑、ビオトープ池を見てまわりました。とりわけBDF精製機に中学生は興味津々。「動かしてみて!」という声もあがっていました。




最後に教室に戻って質疑応答。なぜ菜の花プロジェクトを始めようと思ったのか、BDF精製機を購入することにしたのはなぜか、菜種はどのくらいとれたのか、菜の花畑をもう少し大きくすることは考えていないのか、といった質問が出ていました。

8月4日

第1回に引き続き淀中学校・梅南中学校・菫中学校から8名が来校。加えて大阪経済大学現代GP学生実行委員会から2名の参加をえるとともに、菜の花プロジェクトのお手伝いをしてくださっている地域在住の木村さんも来られ、にぎやかな会となりました。




座学中心だった前回とは異なり、今回は作業中心の内容です。まずは前回見るだけだったBDF精製機を実際に使ってみることに。中学生のみなさんがおうちから持参した廃油を精製機に入れ、水酸化ナトリウムとメチルアルコールを加えてスイッチオン。




攪拌するのに時間がかかるため、BDF精製作業は今日はとりあえずここまで。残りの時間をつかって、トウモロコシの収穫をしました。菜種を収穫した後、菜の花畑をトウモロコシ畑として活用していたのです。まだ十分に熟していない実が多かったのですが、なんとか一人一本は確保。最後に感想を書いて解散となりました。



このような中学・高校・大学が連携しての活動は、まだまだ手探りではありますが、このつながりが発展し広がってゆくとよいですね。